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S3Dのしくみ49 (3D3D.jp記事の転載)

49.調節と輻輳のズレ

S3Dでどうして疲労感を感じやすいかということについて少し触れたいと思います。

 

映像酔いという言葉があります。レースゲームや、FPSなどのゲームをしていると、映像が激しく動いたときに不快感を感じたり、気分が悪くなったりすることがあります。プレイステーションが登場したころから、TVゲームで「3D酔い」という言葉を良く聞くようになりましたが、それがまさに映像酔いです。

この場合は、視覚上は激しく動いているのに、体は全く動いていないので、そこに感覚的にズレが生じてしまい、不快感を感じてしまうのです。つまり、日常生活で感じてる感覚と比べて、映像を見ているときに何らかの「感覚のズレ」が生じると、それが「映像酔い」に繋がってしまうことがあると言われています。

 

S3Dも実は原理的にこの感覚のズレが生じやすい映像です。その代表的なものが、調節(※1)と輻輳(※2)のズレです。日常生活では、焦点(調節)距離と輻輳距離は同じです[図49-1]

CGY_3d3djp_49-1

ところが、S3Dではこれにズレが生じます[図49-2]。飛び出しているリンゴを見ているとき、輻輳は緑のリンゴに合っていますが、実際に我々が見ているのはスクリーンに映った像です。ピントはスクリーン上で合うのです。そのため、それぞれの距離にズレが生じてしまっています。

CGY_3d3djp_49-2

こうした感覚のズレが過剰になったり、長時間続くと、映像酔いに繋がると言われています。S3Dにおいてこうしたズレは視差を付けている以上、不可避です。こうした現象があることを知っていただくと、視差調整を慎重にする必要があることが分かっていただけるかと思います。

 

ただし、映像酔いのメカニズムのすべてが解明されているわけではありません。研究報告の中には、調節と輻輳のズレの影響は小さいというものもあります。S3Dは現在も研究が進められているところでまだまだ分からないことが多いです。

 

※1 調節というのは、水晶体の厚みを変える動きのことを言います。つまり焦点・ピント合わせのことです。
※2 輻輳というのは、見る対象に視線を交差させようとすること、つまり寄り目の動きのことを言います。

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テーマ: 3DCG - ジャンル: コンピュータ

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