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S3Dのしくみ17 (3D3D.jp記事の転載)

転載の許可をいただいたので、3D3D.jp(サービス終了)で連載していた記事をここに上げていこうと思います。記事は古く、現在では不適切な解説も多いかと思いますので、必要であれば補足を追加つつ転載したいと思います。また、連載記事よりも書籍「よくわかるS3D映像制作 -実例から学ぶ立体視の作り方- 」でより詳しい解説をしていますので、そちらもどうぞよろしくお願いします。


17.立体視制作時のキーワード  (2009-04-25)

いよいよ今回から、3DCGで立体視を制作するにあたって、その作り方を少しずつ掘り下げていきたいと思います。まずは、立体視の考え方のキーとなる2つの言葉がありますので、それを覚えましょう。

 

「安全性」と「快適性」

 

立体視では、その映像の安全性について十分に注意を払う必要があります。立体視映画などをご覧になった方は感じたことがあると思いますが、視差調整が適切でないと、視聴し続けるとかなりの疲労感をともないます。目の疲れや、頭痛などを感じることもあります。過剰な飛び出しや、飛び出しカットが連続するなど、配慮の足りない映像は視聴者に負担をかけてしまいます。特に子供たちは、より敏感に立体視の効果を感じ取りますので、より影響が大きいことを意識しておく必要があります。視差調整をできるだけ適切にしても、視聴者ごとに立体視の感じ方には個人差があります。立体視映画などで上映前に「もし気分の悪くなられた方は~」という注意書きが流れるのは、立体視映像には根本的にそういった疲労感などの問題があるので、上映前に必ずそういった断りを入れているのです。

 

また、快適性ということについても配慮が必要です。安全であれば快適かというとそうではありません。立体視を見ていて問題になるのは、疲労感や違和感を感じると、物語への集中力が途切れてしまいがちになるということです。飛び出しがキツくなかったとしても、たとえば、キャラがカット毎に手前と奥を行ったり来たりしてピント合わせを強要されたり、立体感が強すぎてキャラがゆがんで見えたりしてしまうこともあります。こういった点に配慮が足りないと、違和感が強くなってしまって、物語から意識が離れてしまうことになります。そうなってしまってはせっかくの映像が台無しです。きちんと快適に見えるように配慮をすれば、視聴者はストレスを感じずに映像を見続けることができます。

 

それぞれの意味合いは伝わりましたでしょうか? これら2つのキーワードは、私たちが立体視の制作を通して勉強した重要なポイント、または制作のコツとも言えます。通常の映像制作と違う点は、この2つのキーワードにすべて収斂されるといっても良いかもしれません。立体視は特殊な体験ができる映像です。そういった意味で「効果的」かどうかという点もキーワードに加えたい気もしますが、ここではあえて含めませんでした。なぜかと言いますと、立体視が効果的かどうかというのは、立体視を制作している以上、演出時に必ず考えている当たり前のポイントです。ところが、立体視の効果に熱中するあまり、つい忘れがちになるのが「安全性」と「快適性」なのです。「もっと飛び出させて!」「もっとこうグワッと!!」などと、もっと、もっと、とやっている内に、いつの間にか映像全体が不快な、危険なものになってしまうことがあるのです。そのため、あえて「効果的」という言葉は外して、「安全性」「快適性」という言葉を強調しています。「飛び出し」=「立体視」ではありません。立体視を作られる皆様は、この点をきちんと踏まえて作っていただくと良いかと思います。


【補足】 また、現在では「安全性」「快適性」に配慮した上で、どう立体視ならではの「面白さ」や「驚き」を与えるのか、という点も重要であろうと思っています。どの場面であえて立体感を強調するのかという見極めができれば、より魅力的な映像になるのではないでしょうか。

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テーマ: 3DCG - ジャンル: コンピュータ

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