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立体視映画5本の感想

ここ1ヶ月くらいで、立体視映画を5本見ましたので、感想をまとめてみました。
全部RealDで見ています。


ヒックとドラゴン
評判どおり、立体視でなくてもアニメ映画として完成度が高く、楽しめました。特に導入部がとてもいい感じで、ドタバタに合わせたキャラ紹介がスムーズで、作品にすぐに入り込めました。ドリームワークスっぽくないなと思ったら、ディズニーから移籍した監督の作品だったのですね。

立体視の視差も強くなく、立体視制作の制約についてもきちんと抑えられていました。飛び出しを強調するような演出はほとんどなかったように思います。やはり立体視は、3DCGアニメーションとの相性が良いというのを改めて感じさせられた。アバターと同様に飛行シーンが見所のひとつ。両眼視差+運動視差というのはとても効果的で、浮遊感がすばらしい。


仮面ライダーWと天装戦隊ゴセイジャー
前作はかなり視差がきつかったと聞いていましたが、今作は視差も抑え気味でコントロールされているように感じました。東映デジタルセンターのセミナーによれば、全体の3割ほどがステレオで撮影されていて、残りの実写プレートはJVCのプロセッサーで2D-3D変換されているそうです。特撮映画の優位点だなと感じたのは、単なる2D-3D変換では立体視としては物足りなくなることがありますが、そこに3DCGの演出が加わるので、立体視としてリッチに見えるということです。

さて、今回は、事前に、ステレオと2D-3D変換の箇所があるということを聞いていたので、ステレオ撮影されていたカットと、2D-3D変換されたカットを見比べながら見ていました。ここで興味深いことが分かりました。今作については、2D-3D変換のカットのほうが立体視として見やすかったということです。

見る前は、ステレオ撮影の方が断然良いだろうと考えていたのですが、考えを改めることになりました。もちろん、立体感としては、ステレオ撮影のカットのほうが圧倒的にリッチなのだが、問題となったのは「視野闘争」でした。ステレオ撮影されたカットで特に、人物が着ている革ジャンが見づらかった。革ジャンに反射した光が、左と右で明るさやテカリの範囲が異なるので、視野闘争が生じてしまいうるさく感じました。

こういった部分的な色の違いを修正するのは実は時間がかかって難しいです。特に東映さんの作品の場合は、2Dのみだったころに対して、立体視になっても予算も制作期間も変わらないという制約の中で作られている、という状況ではさらに難しいでしょう。とてもこういった調整をカットごとに行う時間はとれなかっただろうと想像します。

そのため、結果的には2D-3D変換のカットのほうが見やすいという印象になりました。2D-3D変換の場合は、同じソースから左右の絵を作成するので、色の違いが基本的には生じません。立体感はあまり強くできないが、その代わり見やすい映像が得られたというところでしょうか。

特撮ものに関しては、2D-3D変換+3DCGエフェクトという組み合わせが正解な印象を持ちました。2D-3D変換は立体感はかなり乏しいが、足りない立体感は3DCGエフェクトで強調することができるので、全体としては満足感を演出できる気がします。


トイ・ストーリー3
さすが看板タイトルという完成度でしたね。伏線の回収も気持ちが良かったです。ラストの展開はどこのアクション映画かと思いました。あとバービー人形のくだりが面白すぎでした。

ヒックと同様に、視差は正の(スクリーン奥の)視差メインで、制約への対応も完璧だったように思います。注目していた点としては、ディズニー映画なので子供たちへの配慮は徹底しているでしょうから、正の視差を最大でどれくらいに設定しているのかというところを見ていました。(上映中に何度もメガネを外す様子は、他の人からみたら奇妙に見えたことでしょう)

最も視差のあったところでは、目の幅~その2倍くらいだったように見えました。予告編で流れたガフールの方が、正の視差は強かった印象です。また、立体視の効果で、おもちゃ目線からの部屋の巨大感と、逆に、人間目線からのおもちゃの小ささがうまく表現されていたように思います。


海猿3D
こういった感動物は苦手なのでウルッとしないように気をつけながら見ました。

全編2D-3D変換と聞いています(もしかしたら部分的には違うかも)。4ヶ月というかなりタイトな期間で変換作業をされていたようです。しかも、2D-3D変換にとっては難易度の高い、水、火、煙を扱う内容の映画で、スタッフはさぞ苦労されたことだろうと思います。

変換ということもあり、視差は控えめでした。あまり視差を強くすると、ズレ幅が大きくなり、作業が難しくなっていくということが考えられます。安全性、作業難易度の両面から、視差が控えめにされているのだろうと推測します。

もっとも印象に残ったことは、迫力を出すための手ブレ撮影は、立体視との相性がとっても悪いということでした。冒頭のシーンで、現場の慌ただしさや、会議の迫力を出すために、あえて手持ちカメラ風に画面を動かして迫力をだしていました。とてもよく使われる技法ですが、この画面動が立体視するととても気持ちが悪い、ということを再確認しました。冒頭のシーン以外では、画面動はそれほど激しくなく、視差も控えめで見やすく感じました。


バイオハザード4
テレビで2と3を見て、予習してから見てきました。見て分かったのは、前作を見ていなくても全く問題無い映画だということでしたw バイオハザードはゲームとは違って、ロードムービーっぽいということをようやく知りました。

技術的な注目点は、2D-3D変換ではなく、ステレオで撮影されているというところです。日本で上映されるハリウッドの実写映画としてはアバター以来でしょうか。その意味で、技術的な比較ができるので、かなり期待して見に行きました。

2と3をあらかじめ見ていたことで、4について心配していた点がありました。前作までは、早いカット割りとカメラの動かしでアクションシーンの迫力を出していました。これがおそらく立体視では相性が悪いことが予想されたので、そこが心配でした。

その心配は良い意味で裏切られました。今作では、前作までの手法の代わりに、スローで迫力を出す方向になっていました。ミラ・ジョヴォヴィッチがインタビューで答えていたように、Phantomを使ったハイスピード撮影が多用されています。

スローは立体視と相性が良く、特に効果的だったのは、シャワー室のシーンだったと思います。降り注ぐシャワーの水滴が、ハイスピードで1粒ずつがはっきりと見え、それがマルチ感を強調していました。この効果については、ガフールの予告編などでも同様の水しぶきのシーンが見られますね。みなさん同じように効果的だと考えているのでしょう。

アクションシーンの演出・撮影方法が変わったのは、カメラリグの大きさも関係しているとは思います。現状の立体視リグでは担いでの撮影は難しく、手ぶれ感を出せなかったというのもあると思います。いずれにしても、立体視を意識してアクションの設計がされているのが良く分かり、そういう意味で参考になりました。

また、やはり実写ものでは、視野闘争が一番の問題となりそうだなとも感じました。一部のカットで、反射(スペキュラ)部分で視野闘争が見られました。この規模の映画でも全部は抑えられないのだということですね。そういったところからも、アバターはやはり(いろんな意味で)リッチな映画なのだとあらためて思います。
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テーマ: 3DCG - ジャンル: コンピュータ

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